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Channel: 2005年9月 – BREEZE
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招き猫とゆかいな仲間①

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今回のお話は、ちょっとHというか、そんなお話です。
読んでくださっている女性の皆さん。
「そんなの不潔だわ!」
とお思いの方、どうぞスルーしてやってください。
男性の方で共感出来るという方は、コメントお待ちいたしております。
 
私が某所のラブホテルで、盗聴波を発見した時のお話。
土曜日の夜、最終的に盗聴波であるという確認をしに行こうと、胸を躍らせて・・・いや失礼、仕事なので仕方なく出発しようとした時です。
私の車のヘッドライトが片方切れていたんですね。(天罰?)
 
私の友達に、深夜営業の自動車板金屋を経営している不思議な男がおりまして。
そやつの所でヘッドライトのバルブをちょろまかしてこようと思ったわけです。
人里はなれた田んぼの真ん中に、奴の工場はありました。
「わりっ、ヘッドのバルブ落ちてない?」
「なんなの、こんな時間に~。」
「こんな時間じゃないとおぬしいないじゃろ~。」
「そか・・・バルブその辺にあるから勝手に持ってって。忙しいから自分で付けろ。」
冷たい言い方をされた。
まあ、スタンドで買えば千いくらかするものを、ロハで拾えるんだからいいか。
「あーりがとね~」
前の自販機でコーヒーを買っておいて行く。
すると奴は手を止め、タバコに火を付ける。なんとなく私も付き合う。
「これから仕事?」
などと聞かれ、なんとなくラブホテルの調査である事を口を滑らせてしまう。
すると、忙しいはずの彼の目の色が、みるみる変わってしまったのです。
「ねえ、招き猫く~ん」
気持ち悪いのだ。
「俺この後時間あるからさぁ~」
忙しいのではなかったのか。
「一人じゃ寂しいでしょう、夜だし」
別に寂しくなんかは無い。仕事だし。
「何でも手伝うからさぁ」
段々テンションが上がってくる。
「友達じゃないか!」
結局そう来るか。
「しょうがねーな。1時間3000円ね。」
「金を取ろーとするか?バルブ返せ!。」
「わかったわかった。醜いからやめよう。」
というわけで、その日の調査は無料奉仕のアシスタントが付く事になった。
 
1時間程車を走らせ、現場に到着する。
全ての部屋が、満室になっている事を確認。
しかし、どうした事か行われているはずの行為は、全て終了してしまっているようでした。
有線放送と思しめき音楽だけが、私のレシーバーから流れてくる。
波を発見した時は全くの無音でしたが、音声を確認出来たので、残念(オイ!)ではあるが、その日の私の仕事は終わり。
ところが、納得が出来ない人、約1名。無料奉仕のアシスタント君である。
「俺は何のために着いて来たんだ。」
「まぁ、こんな事もある。」
「俺は何のために着いて来たんだ。」
「仕方なかろう。帰るぞ。」
「お前は虚しくないのか。」
「虚しくなど無い。帰る。」
「お前は男として納得できるのか!。」
「俺はこれが仕事なのだ。じゃ、どーすりゃいいんだ!。」
「これより近くのラブホテルの盗聴波を、全てチェックする!。見付けるまで帰んないからな!。」
「それってこれからやるの~?」
「それがお前の仕事じゃ~!。」
結局、ラブホ盗聴波を求めて一晩中走り回ったが、収穫はゼロ。
奴をなだめて帰宅する頃は、しらじらと夜が明けてくる頃となってしまいました。
こらっ!板金屋!こんな事で一晩中走り回るほうが、虚しいだろ!。
 
もう二度と無料奉仕のアシスタントは、まっぴらご免だと思う招き猫でした。
 

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